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オーダースーツのオススメ生地ブランド紹介

オーダースーツ

2021.02.06

Joe

社会人になってからずっとこだわってきたスーツや小物など、ビジネスシーンの必需品について様々な情報を提供していけたらと思います。「落ち着きがあって大人っぽい」そんな印象を与えられるような、テクニックやノウハウについて執筆していきます。

社会人になってからずっとこだわってきたスーツや小物など、ビジネスシーンの必需品について様々な情報を提供していけたらと思います。「落ち着きがあって大人っぽい」そんな印象を与えられるような、テクニックやノウハウについて執筆していきます。

体にフィットして、自分に合った仕立てを。自分が最も美しく見える最高の1着を手に入れたい。

そんな風に憧れられる「オーダースーツ」ですが、その魅力はサイズやデザインの自由度だけではありません。

「生地」だって大きな選択肢の一つ。既製品と差をつけて、自分だけの愛着あるスーツにするための大切な要素です。

この記事ではスーツ生地で有名なメーカーやブランドをピックアップして紹介します。

カシミアやウールといった「素材」のその先にある生地選びの世界の楽しさをお伝えします。

産地で違う!?オーダースーツ生地の特徴

オーダースーツの生地選びでまず重視すべきは「産地」です。産地なんてどれも一緒じゃないの? と思われるかもしれませんが、国や地域ごとに特徴があらわれます

ミネラルウォーターで言えば硬水と軟水の違いのようなものでしょうか。つまり産地の情報は、かなり参考になるということです。

代表的な生地の産地はイタリア、イギリス、日本の三カ国。それぞれ順番に見ていきましょう。

イタリアの生地の特徴:柔らかくて艶っぽい

柔らかい肌触りでしなやかな見た目がイタリア産生地の特徴。横糸を1本(経糸は2本)を使った生地が多いのがその理由です。

豊富なカラーを表現することにも長けており、ボディラインの美しさを引き出す色気のある服づくりに重宝されます。有名な産地としてはビエラなどがあげられます。

詳しくはこちらの記事で紹介しています。

イギリスの生地の特徴:がっしりとした重厚感

しっかりと、堅実。イギリスのイメージはその土地の生地の特徴にも表れています。

2本の糸をよって生成する双糸で織りあげるのがイギリス産生地の特徴です。分厚くてコシのある、頼れる肌触りで、その生地の特徴から、耐久性・防寒性に富み、復元力に優れたスーツが出来上がります。

詳しくはこちらの記事で紹介しています。

日本の生地の特徴:堅実で合理的

日本の生地だって負けてはいません。愛知県西部の「尾州」が有名な産地で、今もなお世界で活躍する生地メーカーが多数点在しています。

冬の厳しい島国である日本の生地はイギリスと似たような特徴を持ちながら、スーツを普段着ではなく「ビジネスの場の制服」と捉える日本ならではの機能性も特徴の一つです。

詳しくはこちらの記事で紹介しています。

スーツ生地のオススメブランド3選

さて、簡単にスーツ生地の特徴を産地別にご紹介したところで、今度は具体的に「どんなブランドがあるのか」「どんな生地があるのか」を見ていきましょう。

ここでは、先ほど紹介した3大産地から、代表的なブランドを1つずつ紹介します。

オーダースーツを試してみたい、と検討している方であればもう名前を耳にしているかもしれませんね。この二つのブランドを、具体的なシリーズを例に挙げながら、さらに掘り下げて深くまで紹介していきます。

それでは、まずはイタリアを代表する生地ブランド「ゼニア」から見ていきましょう。

オススメ生地ブランド① Ermenegildo Zegna – エルメネジルド・ゼニア(イタリア)

エルメネジルド・ゼニア、通称「ゼニア」で親しまれている高級ブランドです。

80か国以上の国や地域で、500以上の店舗を持つスーツ店。シャツやベルト、レザークラフトなど、幅広い商品を取り扱いますが、実はそのルーツは「生地」にあるのです。
遡ることおよそ1世紀ーー1910年に創業したゼニアの最初の事業は生地づくりでしたから。

ゼニアの生地の特徴

ゼニアの生産する生地の最大の特徴は、上質なツヤと、着心地の良い滑らかな手触りです。

オーストラリアから買い付けた最高級の天然繊維から、熟練の目でウールを厳選。しなやかで上品な素材を目指しています。

高級感を演出しながら、茶目っ気のある遊び心も忘れない。そんなイタリアンスタイルのスーツにはぴったりです。実際にアルマーニやトムフォード、キートンなどの名だたる有名ブランドはよく好んでゼニアの生地を使用しています。

ゼニアの歴史:100年続く老舗

先ほども少し触れましたが、ゼニアは1910年創業の老舗中の老舗。北イタリアのトリヴェーロという小さな町で産声を上げました。世界で最も美しいファブリックを作り出すことを目標に、代々その信念が引き継がれています。

1980年にはさらに事業を拡大。生地メーカーからメゾンへと進化します。パリやミラノなど、ヨーロッパ中にその名を轟かせます。

現在は牧羊から店頭販売までを一括で管理し、完全自社100%でメリノウールを生産・提供しています。

ゼニアの生地でオーダーする価格帯

ゼニアの生地を使用したオーダースーツは1着およそ8万円から。既製品であれば3万円台から購入可能です。

代表的なゼニアの生地

ここからは、ゼニアの代表的な生地シリーズをご紹介します。

Trofeo(トロフェオ)

ゼニアでもっとも知名度のある生地はこのトロフェオでしょう。ゼニアの生地の代表格です。

うっとりするほどの光沢と、吸いつくような滑らかな肌触りが特徴。上品でエレガントな雰囲気を演出してくれます。1mあたり230g~240gと超軽量なのもトロフェオらしさ。スリーシーズンで着用可能です。

唯一の弱点はその繊細さ。光沢と肌触りを実現するためにとても細かい糸を使用しています。力仕事や外回りでは不向きかもしれませんが、それは軽やかで上品な仕上がりの裏返し。

ゼニアの高級感を体感したい人に検討していただきたいシリーズです。

ELLECTA(エレクタ)

1929年に産声を上げて以来、100年近く愛され続けたロングラン商品です。しなやかでシワになりづらく、なおかつしっかりとした耐久性を兼ね備えています。

その秘訣は糸そのものにありました。ずっしりとした重量のある太い糸を使用しているからこそ実現できた丈夫さです。秋冬の定番として永く世界中の人々に愛されています。

比較的リーズナブルな価格の定番商品。「初めてのゼニアを!」という人におすすめしたいシリーズです。

High Performance(ハイパフォーマンス)

打って変わってこちらは夏用。丈夫で、ストレッチも抜群。暑い夏でもさらりと着こなさせる生地。「ハイパフォーマンス」という名前に負けない高品質なシリーズです。

展開コレクション数はほかの物に比べるとやや少ないですが、それでも我こそはと買い求めるファンが付いている名作です。

オススメ生地ブランド② SCABAL – スキャバル (イギリス)

イタリアンテイストな生地のブランドを紹介したところで、次は英国スタイルの生地を紹介します。ここでオススメしたいのが「SCABAL(スキャバル)」というブランド。

会社の所在地はベルギーのブリュッセルですが、どちらかといえばブリティッシュな生地が多い印象です。自社では織物工場を持ちませんが、その代わりに世界各国とやり取りをしています。
だからこそ、様々な地域のトレンドを敏感にキャッチして「いま」必要なスタイルを提案してくれています。

流行に沿った色や柄を豊富に展開し、珍しく高価な素材も難なく集める業界大手のブランドです。

スキャバルの生地の特徴

スキャバルが得意とするのはクラシカルな印象の演出です。

クラシカル、昔ながら、と耳にすると「いつまでも変わらない」をイメージするかと思います。しかし実はほんの少し違います。「いつまでも変わらない」を着続けていると、すっかり古びた格好になってしまいます。
「いつまでも変わらず格好良い」を維持するためには、時代に合わせた微細なアップデートが必要なのです。

この細やかな調整力に長けているのがスキャバル。生地や柄で、時代に合わせたクラシックを表現します。世界各国とパイプのあるブランドだからこそ成しえる技です。

スキャバルの歴史:スーツ生地業界のトップランナー

スキャバルは1938年、ベルギーのブリュッセルで誕生しました。創業当時のスタッフはなんとたったの6名。今でこそ世界で事業を展開する同社ですが、最初は本当に小さな小さなチームだったのですね。

同社の歴史を語るうえで欠かせないのが「Surper100’s」の存在です。高い糸の番手で、繊細で触り心地の良いウール生地「Surper100’s」を初めて世に誕生させたメーカーが、このスキャバルです。

ヨーロッパを中心に世界で高品質な生地を提案しています。

スキャバルの生地でオーダーする価格帯

スキャバルの生地を使用したオーダースーツは1着およそ10万円からとなっています。大切な節目に自分へ送るプレゼントとしては申し分ないでしょう。

代表的なスキャバルの生地

ここからは、スキャバルの代表的な生地シリーズをご紹介します。

JUST IN TIME (ジャストインタイム)

ツヤがあり、シワにも強く上品で肌触りの良いスキャバルらしい生地シリーズがJUST IN TIME です。

320gという目付は、着用時の快適さと見た目のエレガントさを両取りする絶妙の匙加減。高温多湿の日本の気候にも難なくマッチします。耐久性も申し分なく、また仕立てやすさにも定評がありテーラーも好んで選ぶ生地です。

これからスキャバルをまとってみたい、という人はまず検討したいの生地シリーズです。

CLASSICS (クラシックス)

「クラシック」とその名の通り、伝統を重んじた雰囲気を体現してくれるシリーズこそがこの「CLASSICS」です。

目付は360gで、先ほどの「JUST IN TIME」よりも少し厚めに作られています。しっかりと頑丈で、英国風の腰を据えた立ち振る舞いを支えてくれます
しかしながら手触りはきめ細やかで美しく、気品を感じられずにはいられません。この絶妙なバランス感覚こそがスキャバルの真骨頂。

気取らないけどこだわりたい人に薦めたいのがこの「CLASSICS」というシリーズです。

オススメ生地ブランド③ ミリオンテックス (日本)

ブリティッシュ、イタリアンと続いて最後に代表的な日本の生地についてお伝えします。

ここで紹介するのは「ミリオンテックス」というブランドです。

「ミリオンテックス」を展開する株式会社ダイドーリミテッド社の創業は明治12年の1879年。当時は「大同毛織」という社名で誕生しました。

紡織から織物整理、縫製、販売までを自社のみで一貫生産しており、日本では珍しい一気通貫のメーカーです。品質にこだわるからこそ他者に任せないという気概を感じます。

会社としてのビジネスセンスに満ち満ちた社史や、生地・既製服の高い品質でも有名ですが、今となっては珍しくないようなストレッチ生地をどこよりも早く開発するなど最先端の企業としても知られています。

ミリオンテックスの生地の特徴

柔らかくて心地のよい肌触りと、しっかりとした織り込みを両立させた風合いが最大の特徴です。

イタリア紳士服メーカー、アメリカ紳士服メーカーなどからも人気ですが、もちろん日本でも愛されています。国産メーカーだからこそ、日本の風土・気候でも過ごしやすいフィット感を意識した生地づくりをしています。

ミリオンテックス歴史:国産紳士服生地の老舗

創業は明治12年の1879年。「大同毛織」という社名で誕生しました。

ひとりの女性の手仕事から始まった同社は、戦後の経済成長とともにみるみる大きくなります。

1964年の東京オリンピック公式ユニフォームの生地にも採用されるなど、世界に認められる品質を誇ります。

同年1964年には株式会社「ニューヨーカー」を設立。こちらの社名 / ブランド名は耳にしたことがある人も多いのではないでしょうか。

平成元年、1989年には社名を変更。「同毛織株式会社」から「ダイドー」になります。素材メーカーとしてだけではなく、総合的にファッションを幅広く取り扱う企業へと転身し進化しました。

ミリオンテックスの生地でオーダーする価格帯

ミリオンテックスの生地を使用したオーダースーツは1着およそ5万円からとなっています。オーダースーツの中では比較的お手頃ですが、かといって品質に妥協は一切ないので、手軽にチャレンジしていただけます。

代表的なミリオンテックスの生地

ここからは、ミリオンテックスの代表的な生地シリーズをふたつご紹介します。

ミリオンテックスZ

国内外の多くのビジネスパーソンから愛される生地です。

その秘訣は伸縮性。上質なウール素材を使用しながらも、様々な動きに対応できるような伸縮性能を実現しています。

上品さと快適さを兼ね備えているのが最大の特徴です。

どれを選んでよいかわからない、という場合にはきっと役に立ってくれる定番の王道チョイスです。

インペリアル

こちらもミリオンテックスの代表的な生地シリーズ。通気性に富み、軽くて丈夫な高級生地です。

紡績工場から所有しているダイドーだからこそ実現可能な、こだわりぬいた品質の均一な細い糸で織られています。つまりムラのない非常に滑らかな手触りの生地に仕上がっているのです。

ちなみに、さらに上位モデルとして「インペリアルゴールド」というシリーズもあります。興味のある方はこちらも是非試してみてください。試着したり生地見本を手に取るだけでもその価値がありますよ。

まとめ

きょうは生地に着目してオーダースーツの紹介をしてきました。

もちろん今回ご紹介したものはほんの一部。まだまだ奥が深いのが紳士服の世界です。

生地からこだわったオーダースーツの仕立て。決して安い買い物ではありませんが、かといって高くて後悔することはきっとありません。

自分の満足する最高の1着を手に入れてみてください。